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靉嘔の個展つくば市で虹色追う60年の軌跡(1/2ページ)

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「虹のアーティスト」として知られる靉嘔(あい・おう)(78)の個展が茨城県つくば美術館(つくば市)で23日まで開催中だ(17日休み)。初期から新作まで74点の絵画や立体で、約60年の創作活動を回顧する。国内外の前衛芸術運動に交わったその軌跡は今なお鮮やかなエネルギーを発して、見る者に迫る。 会場ではまず、男女を虹色に塗り分けた新作絵画が目に入る。トレードマークとなる虹色による表現を始めたのは渡米後の1960年代。当時全盛だった抽象表現の逆をあえて追究し、「現実にあると実感できるもの」として色をとらえようとした結果、自然界の光のスペクトルに塗り分ける表現が生まれたという。 展示はその後、一気に学生時代へ戻り、前衛美術集団「デモクラート美術家協会」「実在者」に参加して単純化した人物や風景を明快に描いた50年代へ。さらに、渡米して前衛芸術家集団「フルクサス」に入り、画布やアルミニウムによる立体的な空間も手がけた60年代、日米を行き来しつつ虹の階調で様々な絵画や立体を生み出した70年代以降へとたどる。「自由を求めユートピアを見つけようと、抑圧するものとけんかしてきた」過程だ。 一見、虹は誰にでも描けそう。だが北斎やゴーギャンの作品から仏画、原爆投下まで多様な画題を可能にし、他方で家具や食器を彩って祝祭的な空間も生む靉嘔の虹には独特の強度がある。6色から始まり192色にまで分割された繊細な階調と、色の順番は基本的に自然のままという安定感が、立体的で豊かな表現を可能にするのだろう。 2年前に、活動拠点をニューヨークから故郷の茨城県行方市に移した。都会という世俗から離れ「好きな創作に打ち込めるユートピア。自由で、ハッピーハッピーです」と幸せそうだ。(小川雪)

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